2026年変革的トレンド
(AIを使わずに書いています)
既に2月になってしまいましたが、今年の最初のアラモアナレターをお届けします。2026年は色々な面で歴史が変わる年になりそうですが、その大きな要素は生成AIによるものでしょう。実際2025年末にはオンラインの記事に占めるAIが書いた記事と人間が書いた記事の比率が、始めて逆転しました。世界では既に人よりもAIが書いたコンテンツが多いのです。これに伴い今年のアラモアナレターは2026年以降には少数派となるであろう、AIを使わない記事を書こうと思います。
アラモアナというのは海の道という意味だそうで、窓の外を見ると(人はテーマを考えるときに窓の外を見るようです)そこには海があります。水平線まで何もなく、太平洋が続き、これはハワイのいいところでもありますが、夜には地球上の何もない場所にいるのだとふと不安になることもあります。
たった今も上空をジャンボジェットが横切りますし、訪れる人は後を絶ちません。よく見ると海の大きなコンテナ船が横切っていて、ちゃんと物資が届いています。これを見ると少し安心します。船のほとんどにはMatsonのロゴがついていて、これはハワイの海運会社。アメリカには米国の海上輸送能力を温存するためにJones Actという法律があり、国内の運搬には米国の船しか使えないのです。つまり本土からの物資は全てMatsonで競争もないので輸送費も高くなってしまいます。Matsonとしても高額の化石燃料を燃料に物資を運送しているのでコストも安くありませんし、またハワイに物を運んでも、帰りの積み荷は少ないので、効率も悪くなっています。
ハワイの物資の値段はこうして年々上昇しています。旅行記などでも良く言われていますが、地元でないと感じられないこととしては保険料の大幅な上昇です。マウイの火災を受けてか、その直接の影響だけではありませんが、建物の老朽化などに基づいて保険会社の保険会社、再保険会社がリスクを見直したところ、あらゆる火災保険の料金が上がりました。気候変動とレジリエンスの影響がまさかこれほど直接、自分たちに影響するとは思いませんでした。
コロナ以来、街中で日本人を見かけることが前より少なくなっています。インフレもそうですが円安の影響も大きいでしょう。思えば10数年前にハワイに越してきたころにはよくコーヒー屋さんでラテを飲んでいましたが、当時グランデサイズのラテが3ドル台でドルは80円未満だったので、300円弱でした。今では6ドル、1ドルが155円なので、900円以上します。なお日本のスタバでのラテの価格は12年前には460円、現在は590円と確かにインフレしていますが、米国のインフレと円安には及びません。日本円に換算してしまうとあまり飲む気がしませんので、そうは考えないように心がけています。
経済学にはPPP、購買力平価説というのがあり、昔はマクドナルドのビッグマックが使われていましたが、スタバが世界中に普及したことでラテの値段も指数に使われています。自由に行き来できる国で同じ商品なのだから同じ値段でいいではないかというPPPによれば、今は円安過ぎることになります。
日本にとっての円安は製造業の輸出を助けるという意味で、経済的には良いこととされてきました。製造拠点のグローバル化が進み、日本企業であっても製造が海外で行われることが多い今では、その効果は昔ほどは無いと思われます。一方でグローバル化が進んでいる金融市場では、円安になれば日本の国際的企業の業績は円換算すれば上がりますので、株価は上昇して資産は増えます。長らく世界最大の年金基金で日本人の国民年金などを運用する日本のGPIFは最近では20%を超えるリターンを出す年もあるなど好調です。一方でエネルギーやガソリン、多くの食品は輸入に頼っているので、消費者にとっての生活費は上昇しました。
為替は市場で決まりますが、日米の金利差も影響します。これまで米国は高金利になる中で日本では最近まで大幅な低金利が続いていました。コロナの頃は経済を守るために米国では大幅な低金利誘導が行われ、それがインフレを引き起こしたといわれています。金利が高いと経済が落ち着き、インフレが収まるというのがマクロ経済の理論ですが、現在はこれまでの常識は当てはまらず、米国は空前の規模のAI投資が行われています。
米国ではAIの到来で経済指標が好調でも雇用に大きな影響が出ることが既に現実視されており、今年に入ってからは経済構造の大きなシフトを警告する声が後を絶ちません。多くの知的労働者で成り立っていた近代社会でその貢献がAIに代替されるようになり、AIを所有する少数の資本家があらゆるアウトプットを生み出すようになるのではないか、その時に今の経済の成り立ちはどうなるのか、あまりに急速な変化の準備ができていないのではないかという懸念です。また土地や電力などのインフラをめぐって生活者との競争も起きています。
昨年末には早稲田大学のマーケティング&サステナビリティ国際研究所の招聘研究員として、数学的なAIの成り立ちとイノベーションへの意味合いに関するゲスト講義をさせて頂きました。生成AIはその構造を考えるほど急速な変化への不安も理解できます。幅広い分野で2026年には大きな変化が予想されますが、子供たちの世代に向けた持続可能な社会という広義の視点で太平洋の島から見ていきたいと思います。
